クラシック音楽は、人の心と脳にビタミンを与えてくれるものであり、様々な形で音楽療法として活用されています。
人のような頭脳があり感性の高い(と勝手に思っている)動物だからこそ、クラシック音楽が脳と心に与える見えない”力”を感じるのではないかと思っていましたが、動物にもその効果がある!という研究が発表されています。
人間だから感じ取れるというのは、人間の驕りですね。実は動物の方が脳力は別としても、その感性は高いのかもしれないです。以下、その研究内容の記事を引用させていただきました。
”伊パドヴァ大学(University of Padova)の研究チームによると、バンドウイルカにベートーベンやドビュッシーなどのクラシック音楽を聴かせたところ、仲間に対する友好的な行動が増加し、社交力がアップすることが発見されました。
8頭のバンドウイルカを対象に、1日20分のクラシック音楽を数日おきに、以下の曲を計7回聴かせたとのこと。
・バッハ:平均律 第1巻 第1番 ハ長調 前奏曲 BWV846
・グリーグ:『ペール・ギュント』第1組曲の第1曲「朝」
・カミーユ・サン=サーンス:『動物の謝肉祭』第13曲「白鳥」
・ドビュッシー:『水の反映』
・ベートーベン:幻想曲風ソナタ「月光」嬰ハ短調 作品27-2(第14番)
結果、クラシック音楽だけが、実験中および実験後の両方で、イルカの社交性を向上させることが判明しました。具体的には、仲間に対する友好的な行動や、一緒に泳ぐ時間の増加が確認されています。この効果は、他の環境音やおもちゃでは起こりませんでした。
ゲリノー氏は、この社交性の向上について、「クラシック音楽がイルカの脳を活性化し、内因性オピオイド(エンドルフィンなど、気分を向上させる化学物質)の産生を促したためだろう」と指摘。
つまり、クラシック音楽を聴いている最中、イルカのストレスは緩和し、幸福度が高まっていると考えられるのです”
(出典 ナゾロジー編集部 2022.7.16 ライター 大石航樹)